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- 【1】 薬剤師の転職にも、 デスクワークの選択肢がある
- 【2】 薬剤師のデスクワーク職種例
- 医薬品を取り扱う企業で働く
- 医療品開発業務委託機関で働く
- そのほか
- 薬剤師がデスクワーク職に転職するメリット
- 土日休みであることが多い
- 福利厚生が充実している傾向がある
- 業界の最前線に触れられる
- 【4】 デスクワーク職への転職を考える際の注意点
- 「デスクワーク=ラクな仕事」ではない
- 求人が少なく、競争率が高い
- 調剤や投薬のキャリアが中断される
- 【5】 薬剤師がデスクワーク職に転職するには?
- 転職エージェントを利用するのがおすすめ
- 求人サイトで求人を探す場合の検索例
- パートやアルバイトという選択肢も
- 【6】 まとめ
- データと評判でランキング! 【薬剤師転職サイト】69社超おすすめ大全
【1】
薬剤師の転職にも、
デスクワークの選択肢がある
薬剤師といえば、多くは薬局や病院やドラッグストアなどでの調剤業務。実質的には立ち仕事が中心の職業です。
中には、調剤という仕事が合わないと感じている方や、立ちっぱなしの毎日に限界を感じている薬剤師の方もいるかもしれません。
しかし、もしそれが理由で薬剤師を引退しようと考えているのなら、とてももったいないことです。実は、薬剤師には、デスクワークの職種も存在するのです。
今回は、薬剤師の知識や経験を活かしたデスクワーク職について紹介します。
ぜひ転職の選択肢として検討してみてください。
【2】
薬剤師のデスクワーク職種例
薬剤師が必要とされるデスクワークの職種は、非常に多岐にわたります。
どんな職種があるのか、例を見ていきましょう。
医薬品を取り扱う企業で働く
まずは、医薬品を取り扱う企業で働く場合のデスクワーク職を紹介します。
難易度の高い職が多いものの、大手の製薬企業で求人していることも多く、安定性を重視する方も安心して働くことができます。
DI(Drag Information)
DIとは Drag Information の略で、医薬品に関する情報を扱い、必要に応じて情報提供を行う仕事です。データを扱う仕事のため、基本的にはデスクワークとなります。
勤務場所は主に、製薬会社、医薬品卸、医療機器メーカーなど、医薬品を扱う企業に置かれたDI部門です。また、多くはありませんが、化粧品メーカーや健康食品メーカー、また、大手ドラッグストアチェーン店や大規模病院でDI業務職を募集していることもあります。
医師や薬剤師からの質問に回答する場合もあれば、自社の営業に製品説明をしたり、医療機関や小売店に情報を提供したりと、接する相手も仕事内容も多岐にわたるため、高度かつ柔軟な対応が求められます。様々な問い合わせに対応できるよう、自社で扱う医薬品だけでなく、他社製品や新薬などについての、日々の情報の収集も欠かせません。
扱う情報量が多く、万が一のミスが大きなインパクトに繋がりかねないため、難易度も緊張感も高い仕事ですが、その分やりがいも大きいと言えるでしょう。
薬事職
医薬品や医療機器を製造・販売するには、厚生労働大臣や管轄の都道府県知事などに薬事申請をして承認をとる必要があります。そのための書類作成や、資料の点検、監査報告書に対する回答作成などを行う仕事が、薬事職です。
申請の対象となるのは、医薬品や一般用医薬品、医薬部外品、体外診断薬、医療用機器、化粧品など。薬事職は、これらを開発・製造している製薬会社や医薬機器メーカー、化粧品会社、医薬品卸などでの勤務となります。
薬の知識だけでなく、法律に関する知識、資格などが必要となり、こちらも難易度の高い仕事です。特に、海外で販売する医薬品を扱う場合は、海外の法律の知識と語学力も必要とされ、さらに難易度が高いと言えますが、収入は高い傾向があります。
デスクワークかつ高収入を狙うなら、目指してみるのもよいでしょう。
研究・開発職
製薬会社での研究・開発職も、学会などで外に出ることはありますが、基本的にはデスクワークです。
新薬の開発のために、日々、実験・研究、データ分析などを重ねます。
新しい薬を開発するという花形の存在でありながら、比較的休みも取りやすく、非常に人気の職です。
競争倍率が高い上に、高度な研究スキルが必要とされ、採用においては、大学院卒が応募条件になるなど、学歴も重視されます。狭き門ではありますが、誰しもが応募できる職でないからこそ、もし応募条件を満たしているなら、ぜひ挑戦したい職です。
メディカルコールセンター
ここまでに紹介した3つの職は、どれも転職のハードルが高く、正社員雇用が中心のものです。しかし、転職を検討している方のなかには、難易度の高い職を目指している時間がなかったり、正社員以外の働き方を考えたりしている場合も多いでしょう。
そんな方へのおすすめは、メディカルコールセンターでの勤務です。
コールセンター、つまり問い合わせに応える仕事ですが、先に紹介したDI業務とは異なり、カスタマーサポートや相談窓口といった役割に近いでしょう。
電話や電子ツールを使って問い合わせを受けるため、座って行う仕事となります。
また、コールセンターは基本的に受付時間が決まっているため、残業や休日出勤の可能性も低く、ライフワークバランスを重視した転職を検討している方にはぴったりです。
パートで働いた場合でも、時給は2,000円台と、薬局などで薬剤師として働く場合と同程度の給与水準なので、収入額を憂慮せず選択肢として検討できるのも魅力です。
医療品開発業務委託機関で働く
医薬品開発業務受託機関も、デスクワークの多い職場です。
医薬品開発業務受託機関は、製薬会社の研究の手助けを行う外部機関で、受託した治験プロジェクトを、CRA、DM、QCといった専門職が遂行します。
あらゆる製薬会社の案件が寄せられるため、多くの経験を積むことができるのも魅力です。
CRA(臨床開発モニター)
CRA(臨床開発モニター)は、治験(臨床開発試験)が適切に進行しているかモニタリングし、結果を回収・報告する仕事です。
実施医療機関の選定や、被験者の登録依頼といったことから、試験終了時の諸手続きといった業務まで行い、プロジェクト全体を管理する役割を担います。
新薬申請までの期間をいかに短縮できるかは、CRAの腕にかかっているといっても過言ではありません。
報告のために病院や医薬品管理機関へ出向くこともありますが、基本的には、製薬会社の開発部門所属か、治験を請け負う医療品開発業務受託機関でのデスクワークとなります。
DM(データ管理)
DMとは、Data Management の略で、治験のデータ入力・解析やデータベースの構築が仕事です。
治験などで集められた、CRA(臨床開発モニター)からの情報が問題なく入力されているかを調べたり、修正作業を行ったりします。データに問題を発見した場合は、再調査を依頼するなど、治験が正しく実施されたことを担保する重要なポジションです。
薬学知識だけでなく、データベース化する能力も必要な職種のため、ITの知識が身に付くというメリットもあります。
年収が特別高いわけではないものの、デスクワークがメインとなり、立ちっぱなしの調剤業務と比べて、身体的な体力の消耗は少ない仕事です。
資格は必要ありませんが、薬剤師の資格・経験があれば、採用選考の際に有利でしょう。
QC(品質管理)
QC(品質管理)は、製造業やIT関連にもある職種ですが、薬剤師のスキルを活かすなら、臨床開発のQCに携わるという選択肢もあります。
臨床開発におけるQCの仕事は、臨床試験の実施の基準に関する省令を把握し、治験が適切に行われているかどうかを評価・検証することです。
CRA(臨床開発モニター)が作成した報告書などを検証し、時にはフィードバックも行います。
一日中、会社の中でひたすらチェックを行うデスクワークですが、チェックする書類は膨大な量になることが多く、進捗状況によっては残業もあるでしょう。
治験における不適正なデータ収集などが問題となっている昨今では、より高い能力を持ったQCが求められており、ますます需要の高まりが期待される職です。
そのほか
そのほか、医療機関の治験コーディネーター、薬局・ドラッグストアでの管理薬剤師も、薬剤師のスキルが活かせるデスクワークです。勤務先の選択肢を広げたいなら、メディカルライターもよいでしょう。
治験コーディネーター
治験コーディネーターは、治験の調整役です。
医療機関、製薬会社、患者の間に立ち、薬の開発試験である治験がスムーズに進行するようサポートを行います。担当医師へ治験実施の説明をはじめ、被験者の選定や患者への説明も治験コーディネーターの役割です。
主に医療機関での勤務となり、医療機関の治験事務局に直接雇用されるか、治験施設支援機関から医療機関に派遣されるかに分かれますが、同様の仕事内容で、デスクワークが中心となります。
治験コーディネーターになるための特別な資格はありませんが、医療の専門知識とコミュニケーション能力が必要となるため、薬剤師の資格・経験が活かせるでしょう。
管理薬剤師
管理薬剤師とは、薬局や店舗における責任者のことです。医薬品医療機器等法(旧薬事法)により、医薬品を扱う薬局や店舗では、必ず管理薬剤師を一人置かなければなりません。
管理薬剤師は、薬剤師としての業務以外に、医薬品の管理や従業員の監督といった、責任者としての業務をこなします。
調剤薬局やドラッグストア、製薬会社や医薬品を卸す企業などが勤務先となりますが、管理作業や各種申請資料の作成など、デスクワークが多めの職となります。
転職だけでなく、薬局や店舗での昇進で着任することも多いため、「職場はこのままで、デスクワークに切り替えたい」という薬局・ドラッグストア勤務の方にはぴったりのポジションです。
メディカルライター
メディカルライターとは、簡単に言えば、医薬品に関する文章を書く職種。
取材などでの外出はあれど、執筆が業務となるので、完全なデスクワークです。
ライティングの中でも専門的な知識が必須の分野なので、求人においては、薬剤師の資格を条件とされることの多い職種です。
業務内容は、医療系メディアのライティング、医薬品等のコピーライティングといった広告系のものから、治験の報告書の作成、医薬品の製造販売の申請書作成、医薬論文の作成など、専門性の高い文書の作成まで様々です。
出版社、製薬企業、学術機関、広告代理店など、勤務先の候補も非常に幅広くなります。
メディカルライターについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
https://sanyo3417.jp/yakuzaishi-medicalwriter/
薬剤師がデスクワーク職に転職するメリット
足腰への負荷を軽減したい理由がある方や、調剤業務が自分に合わないと感じている方にとっては、デスクワークというスタイルそのものがメリットですが、ほかにも特徴があります。
ライフワークバランスを見直したい方や、薬学の知識を広げたい・深めたい方も、働き方のひとつの選択肢として検討できるのではないでしょうか。
土日休みであることが多い
デスクワーク職は、薬局勤務の管理薬剤師などを除けば、企業や医療機関など規模の大きな組織での勤務がメインとなり、多くの職場が土日休みです。また、アポイントや期日さえ守れば、自身の裁量である程度スケジュールをコントロールできる仕事も多く、休みが取りやすい職とも言えます。
カレンダー通りに休みたい、年末年始や夏季休暇などシーズン休暇をとりたいという方には嬉しい環境でしょう。
福利厚生が充実している傾向がある
土日休みが多いことと同様に、勤務先の規模が大きいために、福利厚生が充実しているという傾向もあります。手当や補助金、育休・産休などの制度が整っていれば、モチベーションの維持や、ライフステージの変化への対応などの助けになるでしょう。
長く働ける環境で働きたいと考えている方にも、デスクワーク職はおすすめです。
業界の最前線に触れられる
デスクワーク職は、新薬の研究・開発に携わる職が多く、常に業界の最善線の情報に触れられるのも魅力です。
絶えず新しい技術が登場する薬学の世界。薬局やドラッグストアで調剤業務をしながら、業務範囲外のことを勉強するのは大変ですが、研究・開発に関わる仕事なら、業務がそのまま、幅広い最新情報の学びに繋がるため、向上心の高い方にもぴったりです。
【4】
デスクワーク職への転職を考える際の注意点
薬剤師がデスクワークへの転職を検討する際に、注意したい点もあります。
あとから「やっぱり調剤業務に戻りたい」と思っても、復帰が難しいケースもあるため、キャリアプランを考え、デスクワークへの転職は慎重に検討・決断しましょう。
「デスクワーク=ラクな仕事」ではない
デスクワークに転職したいと考えている方の中には、もしかすると「デスクワーク=ラクな仕事」と思っている方もいるかも知れません。しかし、前述のように、難易度が高かったり、仕事量が膨大であったりなど、決してラクなわけではありません。
どんな仕事も必ず、それぞれの苦労があるものです。
足腰への負荷を軽減したい理由がある方や、調剤業務が自分に合わないと感じている方などには適した職ですが、安易に「ラクな仕事」と思っているのであれば、考えを改めましょう。
事前に職業・職場の実情を知るために、転職エージェントを利用して情報収集するのもおすすめです。
求人が少なく、競争率が高い
薬剤師のスキルが活かせるデスクワークは、職種は色々あるものの、求人数の少なさが難点です。そのうえ人気も高く、競争率が高くなります。
後でも説明しますが、転職活動は自分の力だけで行うのではなく、専門の求人サイトや、転職エージェントの活用が必須となるでしょう。
調剤や投薬のキャリアが中断される
薬剤師からデスクワークに転職すると、調剤や投薬の業務から離れることとなります。そのため、再び薬剤師として復帰しようとした際に、経験にブランクがあるとみなされ、採用されにくくなる可能性があります。
自身の将来の働き方をしっかり計画したうえで、転職に踏み切りましょう。
【5】
薬剤師がデスクワーク職に転職するには?
薬剤師のスキルが活かせるデスクワークの求人は、非常に倍率が高いため、転職活動の方法を工夫する必要があります。
転職エージェントを利用するのがおすすめ
求人数の少ないデスクワーク職ですが、実は、多くが非公開求人とされているため、転職エージェントを通じて求人を探せば、選択肢が増えるのです。
また、転職エージェントは、年収や待遇など、希望条件を踏まえて求人を紹介してくれるほか、面接の対策や勤務条件の交渉など、自分では対応が難しい部分までサポートしてくれます。
薬剤師のスキルを活かしてデスクワークへ転職するには、転職エージェントの活用が必須と言えるでしょう。ただし、薬剤師に特化した転職エージェントを選ぶことが重要です。
たとえば、日本調剤グループ運営のファルマスタッフは、薬剤師に特化した転職エージェントです。調剤薬局の求人がメインであるものの、デスクワークの求人も保有しています。
無料で利用できるため、メリットこそあれ損をすることはありません。迷っているなら、まずは相談してみると、第一歩を踏み出すことができるでしょう。
求人サイトで求人を探す場合の検索例
基本的には転職エージェントを利用することがおすすめですが、自身でも情報収集したい場合は、薬剤師に特化した求人サイトで、かつフリーワード検索の機能があるものを利用するのがコツです。
大抵の求人サイトは、地域や福利厚生などで検索条件を設定できても、デスクワークという条件で検索する機能は用意されていません。フリーワード検索を活用し、以下のように検索すると、デスクワーク職が見つかりやすいです。
- 検索例①
- 「デスクワーク」と入力してフリーワード検索してみる。
- 検索例②
- 職種名(「DI」「コールセンター」など)で、フリーワード検索してみる。
参考までに、先ほど例に挙げたファルマスタッフでフリーワード検索した場合、「デスクワーク」で4件、「DI」で34件表示されます。(2022年5月24日 現在)
パートやアルバイトという選択肢も
それでもなかなか求人が見つからない場合は、雇用形態を見直してみるのもひとつの手です。
最初に転職エージェントを選ぶ際も、正社員だけでなく派遣やパートの求人も扱っているエージェントを選んでおくと安心です。
製薬会社や化粧品メーカーのデスクワークは、契約社員やパート雇用で募集することも多いので、正社員にこだわらず探してみると、可能性が広がるでしょう。
【6】
まとめ
今回は、薬剤師のスキルが活かせるデスクワーク職について紹介しました。
薬剤師が、その専門知識や経験をもとに活躍できるデスクワークの職は多く存在します。求人が少なくとも、転職活動のポイントさえおさえれば、転職を諦める必要はありません。
ぜひ、今まで培ったものを活かすことができる転職、そして、自分に合った働き方ができる転職を叶えてください。
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薬剤師の求人がみつかりやすい転職サイト69社をデータと評判でランキング、格付けしました。1位 91点 Sランク ファルマスタッフ
2位 88点 Aランク マイナビ薬剤師
3位 76点 Aランク 薬キャリ
4位 73点 Aランク リクナビ薬剤師
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(2023年 4月版)
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